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Archi-Aid

PROJECTS

Archiaid Exhibition2012
「失われた街 3.11のための模型復元プロジェクト展」
兵庫県立美術館ギャラリー

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街と記憶の復興へ向けて

東日本大震災で亡くなられたすべての御霊のご冥福をお祈りします。また被災され、現在もご不便のある生活を送られている皆様、風評被害に苦しんでおられるすべての皆様に心からのお見舞いを申し上げます。
2011年3月11日に起こった東北地方太平洋沖地震とそれに伴う大津波によって、東日本の太平洋沿岸部において多くの街や集落がわずかな時間のうちに失われてしまいました。「失われた街」模型復元プロジェクトは、全国の建築学生に呼び掛け、津波で失われてしまった街や集落を縮尺1/500の模型で復元する計画です。模型を通して、失われてしまった無数の街角、無数の情景を悼み、弔うことを通してこそ、次の復興へ向けてみんなが一丸となれるのだと信じ、発災直後よりこの活動を進めて参りました。震災後、建築家による復興支援ネットワークとして設立された<アーキエイド>のプロジェクトとして、多くの方々のご理解とご支援を受け、全国の建築学生の皆さんと共に復元模型の制作、被災地での住民参加ワークショップの開催などを続けて参りました。
この展覧会では、「失われた街」模型復元プロジェクトで取り組んできた1年間の成果である岩手県・宮城県・福島県の被災地31地域の復元模型117点を結集し展示しています。南北に長いギャラリー空間の特徴を活かし、空間的にも東北の太平洋沿岸地域を再現する様に心がけました。
模型は一辺が1mの正方形になっています。ひとつの模型で復元されるのは、徒歩で歩き回れる程度の500m四方のエリアです。色がついたり旗が立てられたりしているものは、すでに一度現地に運び、住民のみなさんと街の思い出について語り合った模型です。真っ白い模型は、今後現地のみなさんにご覧頂きたいと考えています。
地域の再生にとって拠り所となるのは<かつての街の記憶>以外にはありません。被災地の皆様が一人でも多く街の記憶を取り戻し、一日も早く復興を遂げていただくことを願って、この活動を続けています。
阪神淡路大震災からの復興を遂げた神戸において本展を開催することは、大変重要な意味を持っていると思います。ご来場の皆様には、復元された街や集落のひとつひとつに豊かな日常が育まれていたことを感じていただき、私達が暮らす街や地域の文化について、あらためて考える機会となることを願っています。

「失われた街」模型復元プロジェクト実行委員会

「失われた街 3.11のための模型復元プロジェクト展」特設サイト
東日本大震災復興支援「失われた街」—LOST HOMES—模型復元プロジェクト